01 植毛加工(フロック加工)ってなに?
静電気を利用し素材に
短い繊維を植え付ける技術です
静電植毛(フロック加工)とは、カットされた繊維に静電気を利用し、
接着剤を塗布したフィルム・紙・布・ゴム等の基材に定着させる加工技術です。
身近な例では下敷きを摩擦し髪の毛を近づけると引っ張られる作用を利用しております。
また、静電植毛はフロック加工とも呼ばれておりフロックは、短繊維のことを指します。
02 静電植毛(フロック加工)の
仕組みって?
密閉した空間に発生させた電界に短繊維を入れ、
静電気と接着剤の力でシートに突き刺して作成します
ダウン方式と呼ばれる方式では、上図の通り、上部に高圧発生器を設置し、上から下へ電界を発生させた状態を作ります。パイルをその中にいれることで、パイルが上から下へ向かって飛び出します。
パイルが下に向かって飛んだ先の下部に接着剤のついた基材を置くことで、パイルが立った状態で基材につき、ふわふわした感触の静電植毛が作られます。
03植毛加工(フロック加工)の
ここがすごい!!
反射防止・吸光(迷光抑制)
効果が
優れている!
光反射防止性能が非常に高く、あらゆる波長の光を効果的に吸収することが可能です。そのため、光をコントロールする必要があるカメラの内部や、自動車のヘッドアップディスプレイ(HUD)の内部などに多く利用されています。右の動画はベル・セードの植毛シートと他素材の反射防止(吸光)性能を比較した動画になります。
遮熱・断熱効果もある!
植毛は反射防止(吸光・迷光抑制)性能だけではなく、植毛の繊維(パイル)によって空間が出来ることによって断熱効果が生まれます。身近なところでは、高温となり、人が触れてしまうと火傷のおそれがある、コピー機内部の金属部品や、こたつの金属部分にカラーリングされた植毛を施しています。
結露により発生した水分の防滴効果も!
植毛加工施した素材は植毛部分の表面積が増えます。
そのため繊維の間に水が保持され易く、通常の布や不織布素材に比べ早いスピードで気化が進みます。エアコンのルーバー(吹き出し口)などに結露防止として使用されております。